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生活の質があがる子育と両立する働き方とは?(オクシィ 高田麻衣子さんインタビュー最終回)

ママをたすけるシェアオフィス「マフィス」を運営する株式会社オクシィの高田麻衣子さんのインタビューの最終回です。
最終回は子育てと両立する働き方や働く場所、高田さんの今後の思いについてたっぷりお伺いいたしました。

利用される方の時間の使い方

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櫻木:
利用されている方の時間の使い方について教えていただけますか?

高田さん:
人気の契約プランが2つあり、会員様はその契約プランを生活に組み込んで行動されるため、傾向として2つのパターンがあります。
朝の9時から午後1時までマフィスをご利用いただけるAMプランとと午後1時から夕方5時までご利用いただけるPMプランです。
朝型のお客様は、朝の支度をしてマフィスにきて、お母さんが仕事をしている間にお子さんは、お散歩をして、お昼ご飯を食べて、お昼寝前ぐらいにお母さんがお仕事を終わらせて合流します。たいていのお子様は帰路で眠ってしまうので、そのまま帰宅後ももうひと仕事をされて、夕食の準備などに取り掛かる方が多いというイメージです。
午後のお客様は、午前中はお子さんと公園にいったり、習い事に連れていったりして、ゆったり過ごし、お昼ご飯を食べてからマフィスにいらっしゃいます。お子さんはマフィスについてお昼寝をし、自由遊びやおやつを食べたりします。その間、お母さんたちは作業に集中したり、打ち合わせで外出される方が多いです。
どのご利用コースの方でも夕方17時ぐらいまでには帰られる方が多いですね。
地元の方が多いので、17時過ぎに夕ご飯の支度をして、18時過ぎには晩御飯食べて、早い方ですとお子さん19時には寝ちゃうという強者も。そのあと暫く自分の時間ができるので、仕事をする方は仕事をされたり、くつろぐ時間ができたりと。
やはり、フルタイムで都心に通っている方に比べると時間はもちろんのこと、精神的にも肉体的にもかなり余裕があるように思います。

櫻木:
お子さんの世話をしながら在宅ワークをしていても、意外と集中してまとまった時間を取るのが難しいという人にとっては、家の近くにこういったスペースがあるのは非常にいいですね。

高田さん:
子供の集中力は15分から20分が限度です。機嫌よく遊びはじめたとおもって仕事に取り掛かってもいきなり中断させられることもままありますし、大人しく何かしているなーと思ったらとんでもないいたずらに没頭していたり笑。お子さんがいる状態で仕事って、世間で思われている以上にできないですよ。
子どもは寝ているから家で仕事できるだろうと思っている方が多いようなのですが。

櫻木:
実際は違うんですね。

高田さん:
もちろん、すぐ寝てくれたらいいでしょうけれども、寝かしつけるにも時間がかかりますし、やっと寝てくれたとおもったら20分で起きしまうというのがあります。
お子さんがいる状態で在宅ワークができているのは、実は当事者が睡眠時間を削り、身をすり減らしてこなすという涙ぐましい努力があることはなかなか理解されませんよね。しかも、その努力とパフォーマンスに相関はないですし。

子育てと仕事を両立する効率的な働き方

託児所の風景
高田さん:
いったん取り掛かっている仕事を中断させられた時、最初と同じレベルのパフォーマンスを上げようとするには、もとより強いエネルギーで仕事に向かわないといけません。通常、人間の集中力は40-60分程度と言われますが、その中盤に最もパフォーマンスが上がるタイミングがあります。
つまり、子育てをしていると最高に仕事ができる状態にもっていく前に中断されることが多いということです。

では、在宅でお子様と過ごしながらお仕事をされている人たちは今どうしているのかというと、
昼間は子どもを看ながら家事をするため、片手間でできる程度の仕事をし、子どもが寝てから仕事を開始するんです。
でも、子どもが寝たあとというのは能率メカニズムの観点からいうと非常によくない。
サラリーマンだって、仕事の効率がいいのは午前中です。あとは夕方の16時以降ぐらい。
でも昼間は子どもだって元気に活動しますし、夕方以降はまさに家事で一番忙しい時間。
子どもが就寝して、お部屋を片付けて、結局仕事にとりかかれるのは22時くらいから。お母さんだって疲れています。パフォーンスを100%発揮できる状態ではないなかで、眠い目をこすって仕事をしても効率は悪いし精度も落ちる。で、疲れ果ててマフィスを利用してみよう、と来場される方も多くいらっしゃいます。
子どもがいる空間では確かに仕事は出来ません。でも、1日中とか平日の昼間ずっと離れている必要もない。
効率の良い午前中の時間にぎゅっと仕事をしてもらってあとは、お子さんとの時間を大事にするというような時間の使い方をすると、フルタイムでお仕事をしなくてもフルタイム並みに稼げるひともいらっしゃる。毎日無理して通勤する必要も本当はないんですよね。

櫻木:
ホームページでお客様の声を拝見すると「生活がよくなった」「ストレスがだいぶ減った」という声がでてくる背景はこういったところにあったんですね。

高田さん:
はい、そうなんです。
お母さんって、四六時中妥協の連続なんです。一人だったらいろんなことができていたはずなのに、効率の悪い生活サイクルを送ることで全部が中途半端に終わってしまう状況ってすごくストレスがたまるんですよ。
食事を作っている最中に「ママ!」って呼ばれるとか、洗濯物を干そうとして汚されているとか、仕事に集中したいけれども子どもの相手をしないといけないとか。そういうことが同時におこるし、あらゆることが自分の納得のいくレベルで達成できない状況があまりにもながく続くと、ストレスたまりますよね。とはいえ、どれも切り捨てられるようなものもない。
マフィスをご利用いただくことで仕事の時間はちゃんと確保できたり、自分のための時間がつくれたりします。そうして一つでもタスクが完遂できると、皆さん「子どもに優しくなれた」とおしゃってくださるんです。

櫻木:
仕事のイライラなどがお子さんに向かないと。

高田さん:
そうなんだと思います。
自分が仕事モードの時に声をかけられると、「なんで今声をかけるの!」と感じてしまいますが、子どもにとっては、仕事をしているママも、ご飯をつくってくれるママも、同じママですよね。その上で、彼らの行動は彼らの欲求によって成り立っているし、3歳までの人格形成期にはその欲求は常に満たされるものでなければなりません。だから、仕事のときのママだからといって相手してもらえないというのは子どもにとっては迷惑な話なんです。
だからこそ、数時間で良いので子どもと離れることができる時間をつくって、きちんと仕事を終わらせる。そうすることでお子さんと向き合う時間や子どもの目線で見てあげられる心のゆとりができる。
子どももストレスをためなくなるのでコミュニケーションがすごくうまく取れるようになって、生活をスムーズに回せることが出来るようになったという声も聞きます。

櫻木:
ワークスタイル変革についてのインタビューをしている時も
お母さんが目の前にいるのに仕事をしていて相手をしてくれないというのはある意味虐待で、ちゃんとタイムマネジメントをして子どものいる時間を作るべきという意見もありました。

高田さん:
自分を愛せる、自己肯定感のある人間に育ってもらいたいと考えたとき、3歳ぐらいまでは彼らの欲求を常に満たしてあげる状況を作る必要があります。自分がこの世の中に生まれてきて、認められて、存在していいんだ!っていう風に思えるようなるためには、自分たちの欲求を常に誰かが汲み取ってくれている環境が大事なんです。そんな時期に、お母さんから適当に仕事しながらあしらわれるとか、目を見てくれないとか、何度呼んでも反応してくれないということが常に起こると、満たされるわけがない。子どもにはよく理解できない大人の事情や、普段怒られないことで怒られるとか、親自身の軸がぶれていると、子どもはやっていいことといけないことがはっきりわからない。こんなことを幼少期にあまりやってしまうと、思春期には一体どうなることか容易に想像がつきますよね。となると、出産してから10年15年経っても仕事に専念できず、物理的に手離れしているのに精神的に親が子どもから解放されず、いつまでも本来のペースで自分の時間を取り戻すことができないんじゃないかなと思うんです。
だから、今の少子化対策に対する政府の議論や政治家の主張や企業の取り組みのなかに、子どもの人格や権利について言及さていないことは常に懸念しています。

で、企業の利用は??

マフィス馬事公苑
櫻木:
企業の方の利用も進んでいますか?

高田さん:
直接法人契約をいただいている会社は2社です。そのほか、育児休暇中に所属している会社から仕事を受けている方が、自宅では仕事がはかどらないからという理由で使用するケースは割とあります。そういった方は、経費清算して実質的には企業負担で利用されていて、特に年度の後半になると増えてきます。

櫻木:
企業の利用の観点からいうと、マフィスさんのようなスペースが各拠点にあれば、フリーランスの方の利用だけでなく、企業に勤めるお母さんが家庭やお子さんの事情で出社はできないけれどもちょっと仕事はしておきたいときに使えるんじゃないのかな?と思っています。もちろん、企業のサテライトオフィスとして利用するような使い方もできるでしょうし。

高田さん:
そういった利用の促進はやっていきたいし、もともとそういうことをしたくてここを始めたんですけど、1か所じゃ駄目なんです、やっぱり。
3カ所でもだめで、100カ所くらい、駅前とかちょっとしたターミナル駅に必ずあるみたいな規模感ではじめて法人利用しやすい状況が出来上がります。
今後は、例えば大宮、鎌倉、吉祥寺といった、都心からはちょっと離れているけど地元の方々が、その場所が好きで、納得してそこに生活しているエリアに出したいと思っています。難しさとしては、保育事業でも、シェアオフィスでもビルオーナーの理解を得るのが難しく、他のテナント様への迷惑を考えるとダメだという話がすごく多いです。「なにが迷惑ですか?」ときくと、「子どもの声がうるさいと困るとか、出勤時間帯にエレベーター前にバギーがあると・・」と答えられるんですよね。そんな方々にも子ども時代があったと思うのですが苦笑

櫻木:
今後の展開としては、場所を増やしていくことでしょうか?

高田さん:
はい、拠点は増やしていきたいですが、保育事業は営利事業としてやりきれない部分があるので、助成金などを活用できるものは活用しつつ展開していきたいと思っています。
マフィスはフルタム保育と一時預かり保育を常に混在させながら運営していくところに難しさがあります。フルタイムだけですと収支計画も立てやすく、子ども達の成長に即した保育・教育方針を作れるのですが、一時預かりだと、預かる頻度も時間もバラバラなのでここに難しさがあります。
私の思いとしては、子どもの就学前までは成長に寄り添い、子どものそばで働くというのは、お子様自身のキャリア形成にとってもプラスに働くことが多いと思っています。疲れ切ってイライラして怒鳴られてばっかりいるお母さんではなくて、お母さんがやりたいことを一生懸命やっている姿を見て育つ、平日の昼間だけど一緒にご飯を食べるということは、子供の心の発達にとってもいいことだと思うので、もっと増やしていきたいです。

あともう一つは、自分で仕事を獲得するスキルにはかけているものの「質の高い仕事ができる」というお母さんが在宅でお仕事ができるサポートを、職業紹介という形で実現していきたいと考え、今年の3月に新会社を設立し、7月に職業紹介の免許を取得しています。こちらも今後、一層力を入れていきたい分野です。

櫻木:
こういったスペースはどんどん増えていくことで働き方の選択肢はもっと増えるので救われる方も多いですね。
また、職業紹介の部分についても今度詳しくお話を聞かせてください。
ありがとうございました!

お知らせ

今回インタビューにご協力いただいた「マフィス」は以下サイトで紹介ご確認いただけます。
ママをたすけるシェアオフィス|Maffice(マフィス)馬事公苑 https://www.maffice.com/

イベント情報

【9月26日東京開催】
社員満足度が高く、柔軟な働き方を推進している会社の女性社員が語る働き方(ママの働き方ラボ)
http://mamalabo05.peatix.com/


執筆者
櫻木 諒太
一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会(JASISA)
中小企業支援をする公的機関勤務を得たのち、2015年10月よりJASISAのジョイン。
3つの組織に所属をし、成長意欲のある企業や地域の支援をする傍ら、時間と場所にとらわれない新しい働き方を実践中。
JASISA HP:www.biz-solution.org/

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