こんにちは。ライターのゆかです。
最近は、「肉食」や「〇〇女子」の言葉の出現で、女性もずいぶん遊びやすく、働きやすくなってきましたね。
しかし、「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。」とあるように、日本のお偉い政治家さんたちが「女性の活躍」を謳う今も、男が外で稼ぎ、女が家を守る風習は残っています。
私の父の決め台詞も「誰が養ってると思ってるんだ。文句があるなら出て行け!」でした。
しかし、巷では、効率的な仕事ぶり、充実した私生活のキャリアウーマン「ブルゾンちえみ」が流行している。
働きウーマンが増えだしたのです。
専業主婦の世帯数と比べて、共働きの世帯数が約2倍になったりと、家庭環境が変化する中、独身の男女が求める恋愛観にも変化があるのか。数々のゲストハウス運営者たちのもとを訪れた、フリーライターの「先駆的働きウーマン代表の前田有佳利さん」にお話を伺います。
│時代とともに変化してきた恋愛観と家庭
———どんな人を好きになるのかって、自分の勝手な好みじゃないですか。私(筆者)は、亭主関白の人よりも、女性を対等に扱ってくれる男性が好きなんですけど、それって、男女平等がよしとされている時代に生きているからこその嗜好な気もしていて。
時代背景は、多少なりとも私の恋愛に影響を与えている、と思っているんですが、だりさんは、時代背景の影響力ってあると思いますか?
時代の変化にともなう恋愛観の変化は、もちろんあると思う。
育った時代背景が異なるから、50代以上の人だと「女性=家庭に入るもの・守るもの」という概念が強い印象があるなあ。逆に30代くらいの人だと「女性=共働き・横に並ぶもの」という概念で接されている感覚があるかも。
1960年代の高度経済成長期を体験している50代以上の人と、少子高齢化が日本各地で叫ばれる今の時代を生きる30代くらいの人と比べると、働き方や家族構成も全然違うだろうし、恋愛を含むライフスタイルそのものが大きく異なってくるよね。
———50代というと、一番身近な存在が父と母なんですけど、それはすごく感じます。時代の変化は、家庭環境の変化にも影響を与えてるんですかね?
昔は「良妻賢母」で、「家を守る人」と「稼ぐ人」という役割が分かれていた時代もあったかもしれないけれども、今は役割を分担する以前に、それぞれ「自分の人生でしたいことは何か?」というものをより意識している感じがしていて。
互いの実現したいことを前提に、ペアになることで相乗効果が生まれたらもっといいよね、という考え方も増えてきたんじゃないかな。舞台に立つのが夫で、舞台裏を支えるのが妻というスタイルじゃなくて、二人ともヒーローとヒロインとして舞台の上に立って、舞台裏のことだって二人でする。そういう意識の夫婦スタイルが増えてきている気がするなあ。
私は仕事上、ゲストハウスを運営する色々な人たちと関わっているんだけど、そこで出会う人もそれぞれ自分の人生を歩んでいて、奥さんと旦那さんとの人生の組み合わせがとてもいいなあと思う夫婦に出会うことも多いね。
———だりさんが結婚したら家事は分担したいですか?
分担したい!
……でも相手によるかもなあ。
例えば、旦那さんがとても忙しいひとで、その人の仕事を本当に応援したいし、そのサポートとしてライティングとか自分の今の仕事が活かせるのなら、その人に寄り添った仕事にどんどんシフトさせていくと思う。
だけど、お互いの今やっている分野をそれぞれ強化して組み合わせた方が面白いねって思えるような旦那さんなら、今のままをもっと磨いて夫婦で何か一緒につくっていけたらいいなと思う。
│職住一体の暮らしが取り戻されつつある
———では、だりさんは、結婚してもお仕事は続ける予定なのですか?
もちろん出産の時期はお休みすると思うけど、それ以外の時間は続けたいなと。
ゲストハウスのオーナーさんは個人事業主として仕事をしている人も多くて、特にそれが女性オーナーさんであれば、私自身の働き方や暮らし方と照らし合わせて、なるほどと学ばせてもらうこともよくあって。
結婚して出産してお休みをとって、復帰して活躍している女性オーナーさんも多いから。その姿を見ていると、かつての日本の職住一体の暮らしみたいに、より仕事と暮らしが隣接したライフスタイルにできるといいのかもって。
———職住一体……ですか?初めて聞きました。
例えば、一階は八百屋さん、二階はおうちとかね。軒先で野菜を売って、奥を覗けばおじいちゃんとおばあちゃんもいて、親子二世帯で仲良く住んでいたりなんていう、職場と自宅が1つになっているスタイルのこと。ゲストハウスを運営している人たちの姿を見ると、そういう職住一体の暮らしが取り戻されつつあるのかもと思って。
大きな会社で働くのもいいのかもしれないのだけど、そうやって職住一体の仕事を自分でつくれたら、働く時間も自分で設定できるから、より柔軟に家族の暮らし方を考えられるようになるんじゃないかなって思ってる。
———なるほど。そんな家庭と仕事とどちらにも関わりながら生活したいだりさんにとって、「家事なんてしてたら、この野望に追いつかないわ!」という仕事面での野望とか、夢はあるのですか?
絶対にこれっていうのはあまりないかも。
やりたいことは随時むくむく出てくるし、これやったら面白いかも、っていうアイデアを発想するのはすごい好きで。何かお話を聞いて1個宿題をもらうたびに、新しいものに出会うたびに、ずうっと考えて、そのうえでいろんな情報を見て、これとこれを組み合わせられそうとか、考えるのがすごく好き。
そういうやりたいことのアイデアはあるんですけど、絶対にこれっていうのはあまりなく。自分のやってることの目的をもう一回見直して、何をしていることが自分が楽しいかを一回一回整理しながら進めている感じ。
———いいですね。素敵ですね。
その足元を見直せる生活がなくならないことが大事かも。自分にとってゆっくりできる時間がなくならないことが大事。
楽しくて忙しくしてるけど、忙しくしすぎると、それはそれで楽しかったものでさえも苦しくなってふっと休みたくなるもの。だから、ちゃんとリセットできる時間が大事。
私が大きい企業にいた時は、リセットの時間を自分のペースで取りにくくて、それで心のバランスも崩してしまって。だけど、一人で働いてたら「だめ、この一週間無理!」て思ったら、なるべく仕事減らして、締め切りのあるやつだけ先に出して「ちょっと一休み!」ってできる。笑
│恋愛における、理想の振る舞い
———先ほどから恋愛のことをお伺いしていて思ったんですが、だりさんは夢を持ってる人が好きなんですか?
やりたいことちゃんとやってる人が好き。やりたいことをやっている、その生き方がいいなと思っていて。納得してないことを納得できない状態のまま続けていても意味がないから。
やりたいことをやるプロセスが大変だったりツラかったりすることはもちろんあると思うけど、そのプロセスにも立ち向かって「自分が何のためにやっているか?」のゴールを捉えて前進しようとする人は、やっぱりかっこいいなあと思う。
あとは思考の原点が近いと嬉しいよね。似たような芯を持っている人というか。大事にしている芯の部分は同じなのに、部活とか職業とかこれまで人生で選んできた肉付けが違うから、互いの異なる肉付けから学ぶことも多いし、それが面白いなあって。
———なるほど。 私もわりと、夢があってキラキラしてる違う畑の好青年みたいな人は好きです。一緒に頑張れるじゃないですか。ちょっと刺激されて。
いい影響をもらえる人がいいよね。
———…いい影響ってなんなんですかね。笑
例えば、ふと立ち止まって気持ちが迷子になった時、前向きに楽しんでがんばっている人がすぐそばにいたら、自分の気持ちを取り戻せるきっかけになる。そういう良い風をくれる人が一番近くにいるのっていいなあって。
———逆に、モテたい!と思ったときはありますか? 目の前にいる男性が求めてるキャラを演じたりとか。ちょっと大人しくなってみたり、元気になってみたり、お姉さんぶってみたり、天真爛漫になってみたり、そういう瞬間はありますか?
相手の好みを演じるって結構高度なスキルじゃない?笑 相手が望んでるカードが見えないかぎりカードが切り出せない。だから、本当に気になってる相手だったら、多分私は観察モードに入るというか、本気なほど外れる可能性が怖くてカードは出さないな、なにも。笑
だから、読んでカード出せる人がいるなら、それはすごいなと思う。大きな賭けじゃない、すごく気になってる人に対しての挑戦のカードだから。
———私は、観察できてるかできてないかは別として、これかな?と思ってカードを出すときがあるんですけど、 やっぱ違ったかも、ってなりますね。笑
自分が持っていない側面をだしていくと、それがいいって思われたら永遠にそれを演じなきゃいけないのって面倒臭いって思ってしまうから、ありのままを出して、それを好きになってもらえたらオールオッケーだなあと思う。笑
———間違いないです。笑
初めて聞く話や、言葉、価値観ばかりで、めちゃくちゃ面白かったです…!スッキリと的確にお話されるのがスマートでかっこよかったので「だりさんの頭の中は一体どうなってるんですか?」とお聞きしたところ、「カテゴリー別の脳内箱で整理している」とのこと。
「これはどこに入るんだろう」「箱がちょっとわからないから、もうちょっと見てみたいな」「じゃあ見てみたらこっちの箱もあるかもしれない」「じゃあここの箱を知りたいなとか」と次々と疑問を沸かせては整理をしているらしいです。
そうやって、世間や自分自身を観察し整理した上で、自分オリジナルの意思決定をしたり、アイデアを出したりしているところが、本当にすごい!素敵!と感じました。
それでいて、ほっとすような雰囲気もあって、一緒に飲んだハーブティーがよく似合っていて、「わ〜綺麗な色」と味わっていたのがすごく印象的でした。
「お仕事」「恋愛」「家庭」「人間関係」全て個人の価値観で築き上げていくものだけれども、いつの間にか「こうしなければいけない」というしがらみを作っていて、だりさんは、そのしがらみの存在にスポットを当てて、その存在意義を改めて問いてくれるようなお話をたくさんしてくださって、勉強になりました。ありがとうございました。
次回は、だりさんのフリーランスという働き方についてお話を伺います。